前回は第5引数以下を省略したImgproc.warpAffine()メソッドについて実験しました。
今回は第5引数以下についても、それぞれの定数でどんな変化が見られるかやってみましょう。
Imgproc.warpAffine(Mat src, Mat dst, Mat M, Size dsize,
int flags, int borderMode, Scalar borderValue)
Mat src 処理したい元画像のMat
Mat dst 変換後Mat
Mat M 2×3の変換行列
Size dsize 変換後Matのサイズ
int flags 補間手法
int borderMode ピクセル外挿手法
Scalar borderValue 定数境界モードで利用されるピクセル値
flagsについてはImgprocに用意された以下の定数から選択します。
定数は画像サイズを変更すると同じで、サイズが変わる場合の補完手法というところでしょうか。
また、それと組み合わせて使うオプションフラグが1つあります。
INTER_NEAREST 最近傍補間
INTER_LINEAR バイリニア補間(デフォルト)
INTER_AREA ピクセル領域の関係を利用したリサンプリング
INTER_CUBIC 4x4の近傍領域を利用するバイキュービック補間
INTER_LANCZOS4 8x8の近傍領域を利用するLanczos法の補間
WARP_INVERSE_MAP M が逆変換であることを意味する
(上記と組み合わせて使うオプションフラグ)
borderModeについてはImgprocに用意された以下の定数から選択します。
この定数で、回転することで空白となる部分の扱いが決まります。
BORDER_REPLICATE 画像境界の値を複製してコピー
BORDER_CONSTANT borderValueで指定したピクセル値
BORDER_REFLECT 画像境界で反射するようにコピー
BORDER_WRAP 画像自身を繰り返しコピー
BORDER_REFLECT_101 画像境界で反射するようにコピー
BORDER_REFLECT101 画像境界で反射するようにコピー
BORDER_DEFAULT 画像境界で反射するようにコピー
BORDER_TRANSPARENT 元画像を変更しない
「BORDER_REFLECT」、「BORDER_REFLECT_101」、「BORDER_REFLECT101」、「BORDER_DEFAULT」の差は分かりませんでした。
borderValueについてはborderModeで「BORDER_CONSTANT」を選択した際に利用するピクセル値を決めます。
デフォルトではゼロです。
flagsについてはおそらくサイズ変更の時と同じだと思いますので、オプションフラグだけ試します。
元画像。
「INTER_LINEAR」で変換。
Imgproc.warpAffine(mat, dstMat, affineTrans, dstMat.size(), Imgproc.INTER_LINEAR);
オプションフラグを立ててみます。
Imgproc.warpAffine(mat, dstMat, affineTrans, dstMat.size(), Imgproc.INTER_LINEAR | Imgproc.WARP_INVERSE_MAP);
なるほど。変換行列が逆に扱われて、変換結果も逆になるわけですね。
続いてborderModeについてやってみましょう。
画像境界の値がそのままコピーされます。
Imgproc.warpAffine(mat, dstMat, affineTrans, dstMat.size(), Imgproc.INTER_LINEAR,Imgproc.BORDER_REPLICATE);
指定したピクセル値で埋めます。
デフォルトではScalarがゼロで面白くないので、色をつけてみます。
Imgproc.warpAffine(mat, dstMat, affineTrans, dstMat.size(), Imgproc.INTER_LINEAR,Imgproc.BORDER_CONSTANT, new Scalar(200, 150));
ミラー的な感じで埋めます。
Imgproc.warpAffine(mat, dstMat, affineTrans, dstMat.size(), Imgproc.INTER_LINEAR,Imgproc.BORDER_REFLECT);
回転することでBitmapの外側に出てしまった領域で埋めます。
スライドパズルが作れそうですね。
Imgproc.warpAffine(mat, dstMat, affineTrans, dstMat.size(), Imgproc.INTER_LINEAR,Imgproc.BORDER_WRAP);
「BORDER_REFLECT」と区別がつきません。
Imgproc.warpAffine(mat, dstMat, affineTrans, dstMat.size(), Imgproc.INTER_LINEAR,Imgproc.BORDER_REFLECT_101);
「BORDER_REFLECT」と区別がつきません。
Imgproc.warpAffine(mat, dstMat, affineTrans, dstMat.size(), Imgproc.INTER_LINEAR,Imgproc.BORDER_REFLECT101);
「BORDER_REFLECT」と区別がつきません。
Imgproc.warpAffine(mat, dstMat, affineTrans, dstMat.size(), Imgproc.INTER_LINEAR,Imgproc.BORDER_DEFAULT);
元画像をそのままにして変換先にだけ上書きします。
Imgproc.warpAffine(mat, dstMat, affineTrans, dstMat.size(), Imgproc.INTER_LINEAR,Imgproc.BORDER_TRANSPARENT);
ちなみに単なる回転だけではなく、サイズや形状が変わるとどうなるのでしょう。
ちょっとやってみましょう。
BORDER_REPLICATE
BORDER_REFLECT
BORDER_WRAP
まぁ想定通りの結果ですね。
という事で、定数が多いと長くなりますが、また別のメソッドでも使いそうなので、覚えておくと良いでしょう。
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